
前回の記事で野鳥の飛翔シーンを撮影するのに必要なカメラの性能とおすすめのカメラについて書きました。野鳥の飛んでいる姿は見た目以上に速い為、カメラのAF性能などスペックの高いカメラで撮影するのが主流となっています。
しかし、どんなに性能の高いカメラを使って撮影しても、鳥の飛んでいる姿をフォーカスポイントを外さないように追い続けないと、失敗写真を量産させてしまいます。これは、D5などのAF追随性能が高いカメラを使っていても言えることであります。
野鳥を撮影して2年が経過しましたが、野鳥の飛翔シーンの撮影では7割ぐらいが失敗写真です。何とか飛んでいる鳥の目にピントを合わせようとして撮影しているのが原因だと思っています。鳥の目にピントを合わせ続けて、ピントを外さないように追い続けるのは至難の業です。
今回は、目にピントを合わせ続けるというセオリーを一度捨てて、野鳥の飛翔シーンの成功写真を撮る為の確率を上げる為にどうしたらいいのか、練習方法について考えていきたいと思います。
体の大きい鳥から撮り始める
野鳥の飛翔シーンを撮影するにあたり、いきなり体の小さい鳥だとピントを合わせるのに苦労してしまいます。被写体が小さく、動きも不規則でトリッキーであるからです。最初は体の大きな鳥で練習しましょう。被写体までの距離によってはファインダーいっぱいに鳥が写るためピントを合わせやすいです。また、体の大きい鳥は動きも単調なので、動きが予測しやすいです。
どの鳥が練習に最適なのか
野鳥の飛翔シーンの撮影の練習で最初におすすめする鳥は、鷺、白鳥、トンビなどの大型の鳥です。特に鷺は羽を広げたまま直線的に飛ぶことが多いので、何回か練習したらフォーカスポイントを外すことなく追い掛けることができるようになります。
また、白鳥も最初の練習に最適です。鷺は群れで飛ぶことはあまりないのですが、白鳥は何羽かまとまって飛び立つことが多いです。綺麗な隊列の飛翔シーンを撮影できた時は、ガッツポーズものです。
鷺や白鳥などの体の大きい鳥の飛翔シーンを撮影できるようになったら、次のステップです。鷺や白鳥より体の小さい鴨の飛翔シーンに挑戦してみましょう。体が小さくなり、動きも速くなるので難易度がグッと上がります。
最後はカワセミなどの小型の鳥といきたいところですが、体がさらに小さくなり、動きが速く不規則になり、かなり撮影難度が上がります。ひたすら速い動きに慣れるしかないのですが、まったくもって難しいです。はっきり言って激ムズです。
焦点距離を短くしてファインダー内を広く映し、ひたすらファインダー内で小型の野鳥を追い掛ける練習をするしかないです。慣れてきたら徐々に焦点距離を長くしていきましょう。身近にいるヒヨドリや雀で練習していますが、なかなかファインダー内に姿を捉えさせてくれません。まだまだ、練習が必要です。
ピントを合わせる位置
野鳥や動物を撮る時には、目にピントを合わせるのがセオリーなのですが、野鳥の飛翔シーンでいきなり目にピントを合わせるのは難しいと思います。ほとんどの鳥は、顔が小さいからです。
その為、最初はF値を大きくして被写界深度を深くしピントが合う範囲を広くして、野鳥の体にピントを合わせて撮影するのがいいです。体にピントを合わせても、F値を大きくしているので、顔にもピントが合っている写真を撮ることができます。しかし、F値を大きくし過ぎてシャッタースピードが遅くならないように注意してください。1/1000秒以上のシャッタースピードだと手ブレや被写体ブレを防ぐことができます。
天候や撮影時間によってF値を決めてください。マニュアル露出にしてISO感度をオートに設定しておけば、F8ぐらいまで大きくしても、シャッタースピードは1/1000秒以上を確保できます。ISO感度は上がってしまう可能性がありますが。
体にピントを合わせて撮影するのが慣れてきたら、顔にピントを合わせて撮影してみましょう。顔ならどこにピントを合わせて撮影してもいいです。最終的には目にピントを合わせて撮影できるようになることが目標です。
まとめ
野鳥の飛翔写真を撮るのにオススメな練習方法について考えてみました。大きな鳥から始めて徐々に体の小さな鳥にしていくのがおすすめです。カワセミのダイブシーンをいつか撮ってみたいものです。
ピントを合わせる位置も、ピントを合わせやすい身体から顔、目にピントを合わせるのが最終的な目標となります。
野鳥の飛翔シーンで目にピントが合っている写真を撮れた時は、物凄く達成感があります。僕は1000枚に1枚の確率でしか撮れませんが、もっと練習して腕を上げたいと思っています。