
カメラを始めて野鳥撮影や電車撮影をしてみたいけど、難しそうだと感じて敬遠している人も多いのではないでしょうか。確かにオートモードで撮影していると動体撮影は難しいかもしれませんが、マニュアルモードの一つである「シャッタースピード優先モード」で撮影すると割と簡単に動体撮影を行うことができます。
風景撮影などと違ってカメラ設定を綿密にしなければなりませんが、一度覚えると動体撮影にハマること間違いなしです。一口に動体撮影と言っても、野鳥、動物、電車、飛行機、スポーツなど撮影対象もたくさんあります。
僕は、どちらかと言えば風景などの動かない被写体よりも、野鳥や飛行機、スポーツなどの動体撮影に写真撮影の面白さを感じています。動体撮影の魅力は動きを追いかけながら撮影することです。失敗写真も多いですが、数多い失敗写真の中から自分のベストショットをセレクトするのも楽しみの一つです。
ベストショットは100枚撮影した中の1枚か2枚の時も多いですが、その中のベストな1枚を見つけた時は達成感が得られます。今回は、動体撮影にオススメな「シャッタースピード優先モード」についてと動体撮影でのオススメな設定について説明したいと思います。
シャッタースピード優先モードとは
シャッタースピード優先モードは、シャッタースピードとISO感度を自分で決めて、絞り値はカメラに決めてもらうモードになります。被写体によって動きを止めたい時はシャッタースピードを速くして、被写体の動きをわざとブラしたい時は、シャッタースピードを遅く設定します。
ISOをカメラに自動で決めてもらうオートに設定しておくと、シャッタースピードを決めるだけていいので、より撮影に集中できます。
シャッタースピードを変えると絞り値とISO感度はどう変化するのか
シャッタースピードを速くした場合
シャッタースピードを速くした場合は、撮像素子に当たる光の量が減るので絞り値は小さくなり、ISO感度は高くなります。ISO感度を固定にしていて変えたくない場合は、絞り値のみを小さくします。絞り値が最大まで小さくなってしまった場合は、写真が暗くなってしまいますので、露出補正をする必要があります。
つまり、撮像素子に当たる光の量が減るので、絞り値を小さくするかISO感度を高くして、撮像素子に当たる光の量がを減らないように調整しています。
シャッタースピードを遅くした場合
シャッタースピードを遅くした場合は、撮像素子に当たる光の量が増えるので絞り値は大きくなり、ISO感度は低くなります。ISO感度を固定にしていて変えたくない場合は、絞り値のみを大きくします。絞り値が最大まで大きくなってしまった場合は、写真が明るくなってしまいますので、露出補正をする必要があります。
この場合も撮像素子に当たる光の量が増えるので、絞り値を大きくするかISO感度を低くして撮像素子に当たる光の量が増えないようにしています。
シャッタースピード優先モードに向いている被写体
野鳥の飛翔シーン
野鳥の飛翔シーンで、1/1000秒以上のシャッタースピードで撮影すると被写体ブレや手ブレが防げ被写体を写し止めることができます。僕は、野鳥を撮影する時は、1/1250秒以上のシャッタースピードで撮影しています。
絞り優先モードでシャッタースピードを1/1000秒以上に設定しようとするのはなかなか難しいです。晴れていて光量が十分にある時はいいのですが、曇り空で光量が足りない時は絞り値を小さくしてISO感度もある程度上げないと、高速シャッターに設定するのは難しいです。
シャッタースピードを低速に設定して、飛んでいる鳥の羽をわざとブラして動きを表現する方法もあります。この時は、シャッタースピードを低速に設定しているので、手ブレを起こす可能性が高くなります。シャッタースピードを低速に設定して撮影する時は、三脚や一脚を使用すると手ブレを軽減することができます。
電車や飛行機
電車や飛行機での撮影ではシャッタースピードをコントロールすることによって、被写体を写し止めたり背景をブラした流し撮りを行うことができます。
野鳥撮影と同じく1/1000秒以上のシャッタースピードにすれば、被写体ブレや手ブレを抑えた写真を撮ることができます。また、シャッタースピードを遅くして流し撮りをすれば、背景をぼかして電車などの動きを表現することができます。
簡単にシャッタースピードをコントロールできるので、電車や飛行機の撮影ではシャッタースピード優先モードでの撮影がオススメです。
スポーツ
スポーツでは、シャッタースピードを遅くして撮影すると被写体ブレをする可能性があります。その為、スポーツ撮影でもシャッタースピードを速くして撮影する必要があります。
もちろん、シャッタースピードを遅くして動きを表現することも可能ですが、被写体ブレや手ブレを起こす可能性があります。
僕は、スポーツ撮影では高速のシャッタースピードで撮影することがほとんどです。屋外の撮影では1/1000秒以上、屋内の撮影では1/500秒で撮影しています。ISO感度が上がり過ぎる時は、1/250秒ぐらいのシャッタースピードで撮影することもありますが。
滝や雲
滝や雲の撮影でも、シャッタースピードをコントロールすることによって、表現を変えることができます。シャッタースピードを遅くして水の流れや水飛沫を写し止めたり、シャッタースピードを速くして水の流れを滑らかに表現することができます。
水の流れを滑らかに撮影する時は、1秒ぐらいのシャッタースピードで撮影することが多くなります。その為、三脚の使用が必須になります。
動体撮影をする時は、AF-Cに設定して撮影する
野鳥などの動く被写体を撮影する時は、フォーカスモードをAF-Cに設定して撮影することが前提となります。ニコンでは、「コンティニアスAFサーボ」と呼んでいます。AF-Cは、シャッターボタンを半押し(AF-ONボタン)している間、ピントを合わせ続けるモードです。
シャッターボタンを押すまでピントを合わせ続けるため、動いている被写体などを撮影するのに適しています。
動体撮影をする時は、ISO感度設定をオートにして撮影する
動体撮影でシャッタースピードを速くしたり遅くしたりして、頻繫に設定を変えながら撮影する時があるかもしれません。その時、ISO感度の設定を固定にしていると、露出が変わり写真が明るくなったり暗くなったりする可能性があります。
ISO感度設定をオートにしておけばシャッタースピードを変えて撮影しても、カメラが自動でISO感度を決めてくれ適正な露出になるように撮影してくれます。
カメラによって許容できるISO感度はそれぞれ違いますので、自分でISO感度の上限を決めて設定しておく必要があります。
まとめ
POINT
- シャッタースピードを速くして被写体を写し止める
- シャッタースピードを遅くして動きを表現する
シャッタースピード優先モードでは、被写体を写し止めるか動きを表現するかでシャッタースピードをコントロールします。被写界深度をコントロールする絞り優先モードと合わせれば、写真表現の幅が広がること間違いなしです。
シャッタースピード優先モードと絞り優先モードで自分の表現したい写真が撮れるようになったら、次はマニュアル撮影に挑戦してみてください。もっと、写真を撮ることが楽しくなると思います。マニュアルモードについては、そのうち記事にしたいと思います。