
ニコンのミラーレスカメラZシリーズが登場してから約1年が経ち、APS-CサイズのDXフォーマットのZ50が11月下旬に発売予定となっています。35mm判フルサイズのFXフォーマットモデルのZ7、Z6の外観や操作性を継承しつつ、イメージセンサーをAPS-Cサイズに抑えることで、さらなるボディの小型・軽量化を実現しています。
DXフォーマットのZ50と一緒に2本のDXレンズも発売されます。NIKKOR Z DX 16-55mm f/3.5-6.3 VRとNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRの2本です。どちらのレンズもレンズ内手ブレ補正を内蔵し、この2本を組み合わせれば、35mm判換算で24mmから375mmをカバーします。小型システムと広い焦点域により、スナップから景色、動体撮影まで幅広くこなすことができます。
Z6を使用している僕もZ50は気になりますので、Z50の特徴とZ6との違いについて書いていきたいと思います。
Z50のスペック
まず、Z50の基本的なスペックをご説明します。
画像処理エンジン
Z50の画像処理エンジンは、Z6と同じEXPEED6。解像感やノイズ特性などを一段と向上させ、高速処理により電子ビューファインダーでも遅れの少ない表示を実現しています。
画素数とセンサーサイズ
D7500やD500で実績のあるDXフォーマットの有効画素数2088万画素CMOSセンサーを搭載しています。常用ISO感は100~51200と高感度撮影にも強く幅広いシーンでの撮影を可能にします。Z6と同じ常用ISO感度が51200ですが、フルサイズのZ6と比べノイズの出方がどう違うのかが気になります。
センサーサイズは、APS-Cセンサーです。
連写速度
高速処理により最高約11コマ/秒の連写を可能にし、14ビット記録のRAWでも約9コマ/秒の連写が可能です。11コマ/秒の連写は、Z6の約12コマ/秒の連写に迫る性能です。
ファインダー
約236万ドット0.39型の電子ビューファインダーを搭載しています。拡大表示により精度の高いピント合わせが可能です。また、再生メニューも表示できます。
Z6の約369万ドット0.5型に比べると解像感や見易さなど少し劣ってしまいます。
記録メディア
記録メディアはSDカードを採用しています。Z7やZ6ではXQDカードの採用です。連続撮影では連写枚数に差が出る可能性があります。
背面モニター
ローアングルやハイアングルで活躍する180°チルト式の104万ドットの背面モニターを採用しています。精度の高い瞳AFと合わせて、簡単に高画質なセルフィーが撮ることができます。
Z50とZ6との操作性などの違い
内蔵フラッシュ
Z7、Z6では非搭載だった内蔵フラッシュを備えています。補助光としては十分で、撮影シーンや表現のバリエーションが増えること間違いなしです。
撮影モードダイヤルの位置の変更
Z7やZ6では左側にあったが右側に変更されています。ファインダーを見ながら素早く操作が可能になりましたが、Z7やZ6との併用を考えている人は操作に戸惑うかもしれません。
静止画/動画切り換えレバーの形状を変更
撮影モードダイヤルと一体化になりました。録画ボタンが近いのも使いやすくなったと思います。Z6はファインダーの右側にあり、録画ボタンはシャッターボタンの右後ろにあります。これもZ7やZ6との併用を考えている人は注意が必要です。
大きさ・重さ
外観寸法はほとんど変わりませんが、重量はZ6の約7割の約450gです。小型でも操作性は損なわず、マグネシウム合金のボディは堅牢で安心して使うことができます。
ボディ内手ブレ補正
Z7とZ6で搭載されたボディ内手ブレ補正はZ50では未搭載です。レンズ内手ブレ補正が搭載されていないレンズを使用する時は、三脚などを使用し手ブレ対策が必要です。
ボディ内手ブレ補正を搭載するとカメラ本体が大きくなるので、Z50では搭載を見送ったのでしょう。おそらく携帯性を重視した結果だと思います。
Z50と同時に発売されるレンズ2本を紹介
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
全長3cmの沈胴式の超小型標準ズームレンズです。
35mm判換算24~75mmをカバーし、沈胴式で撮影時に鏡筒を回して使います。収納時の全長が32mmと薄く、小型のZ50とのボディバランスに優れます。レンズ内手ブレ補正で4.5段分の効果があります。
外観寸法(最大径x全長):約70-32mm 質量 約135g
NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
35mm判換算75~375mmをカバーする望遠ズームレンズです。小型のZ50と組み合わせることで、機動力の高い超望遠撮影が楽しめます。レンズ内手ブレ補正は5段分。
外観寸法(最大径x全長):約74x100mm 質量 約405g
フルサイズ用のZマウントレンズに対応
すでに発売しているFXフォーマットのZマウントレンズを装着できる他、FTZを介してFX、DXのFマウントレンズも使用できます。FXフォーマットを使う場合、焦点距離は1.5倍換算となります。
Z50とZ6とのスペック比較表
Z50とZ6のスペック比較
Z50 | Z6 | |
イメージセンサー | DXフォーマット、APS-C | FXフォーマット、フルサイズ |
有効画素数 | 約2088万画素 | 約2450万画素 |
画像処理エンジン | EXPEED6 | EXPEED6 |
常用ISO感度 | 100~51200 | 100~51200 |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正 |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ | 1/8000秒~30秒、バルブ |
高速連続撮影 | 最高約11コマ/秒 | 最高約12コマ/秒 |
フォーカスポイント | 209点 | 273点 |
AF低輝度限界 | -2EV | -3.5EV |
ファインダー | 0.39型、約236万ドット | 0.5型、約369万ドット |
背面モニター | 3.2型TFT、104万ドット 180°チルト式、タッチパネル |
3.2型TFT、210万ドット チルト式、タッチパネル |
内蔵フラッシュ | 搭載 | 非搭載 |
動画 | 4K UHD、30p | 4K UHD、30p |
外形寸法(WxHxD) | 約126.5x93.5x60.0mm | 約134.0x100.5x67.5mm |
質量(バッテリー、記録メディア含む) | 約450g | 約675g |
まとめ
Z50のスペックとZ6との違いについてまとめてみました。細かいスペックはZ6の方が上のものが多いですが、非常に魅力的なカメラに仕上がっていると感じます。
特に同時に発売される50-250mmの望遠レンズは、野鳥撮影やスポーツ撮影などの動体撮影を楽しめます。現行のZマウントには望遠レンズのラインアップは用意されていません。
残念なのがボディ内手ブレ補正が非搭載なのとシャッタースピードが1/4000秒の2点です。ランク的には入門機にあたるのかなと思います。もしかしたらDX Zマウントのフラグシップ機が出るのかもしれません。D500クラスのミラーレスカメラが出たら、ワクワクしてしまいます。
発売までまだ1か月あるので、小型のミラーレスカメラを検討している人は、ニコンZ50を検討したらいいのではないでしょうか。キャッシュバックキャンペーンもあるようですよ。