
カメラやレンズは精密機械ですので買った時の性能を保ったまま長く使うためには日頃の手入れが必要になります。しかし、手入れが大変すぎると撮影のモチベーションが下がってしまったり、メンテナンスをさぼりがちになることもあると思います。
今回は、できるだけ簡単にあまり手間を掛けないでできるカメラとレンズのメンテナンスに必要な道具とメンテナンスの方法をご紹介します。
湿度に弱いカメラとレンズは保管場所に注意
日本は高温多湿な気候であり、特に春から夏にかけてはカメラとレンズにとっては過酷な環境になってしまいます。特に注意したいのが、梅雨時期に多くなるカビの発生です。
レンズを長期間湿度の高い環境に置いていくと内部にカビが生えてしまう可能性があります。一度、カビが生えてしまうと完全に除去するのは難しいため、カメラやレンズの保管は湿度が低く保たれたドライボックスや防湿庫に入れて保管するようにしましょう。レンズのコーティングはカビの大好物です。
ドライボックス
密閉できるプラスチックケースで中に乾燥剤を入れて保管します。衣装ケースとの違いは蓋にパッキンが付いており、気密性が保たれていることです。大きさにもよりますが、1,500円~3,000円ぐらいで購入できます。
ドライボックスについては前に記事にしていますので、そちらも参考にしてみてください。
防湿庫
電動で内部の湿度を保ってくれる専用の保管庫です。高価ですが乾燥剤の入れ替えは不要です。食器棚のように扉を開けてカメラの出し入れができます。
メンテナンスに必要なアイテム
カメラコーナーに行くと多くのカメラのメンテナンス道具が売っているため、初めてだとどれを選べば良いか分からないかもしれません。できるだけ手軽に行うことを考えると最初は次にあげる6つのアイテムを揃えておけば、カメラ、レンズ共に基本的なメンテナンスをすることができます。
日々こまめにメンテナンスをするのがカメラを長持ちさせるコツです。
1ボディブラシ
カメラボディに付いた埃を落とすブラシです。特に一日外で撮影した時は、カメラボディやレンズに多くの埃が付いてしまいます。カメラバックに入れておくと埃が気になった時に、手軽に埃を落とすことができます。
撮影から帰って来たら必ずボディブラシを使ってカメラボディやレンズの外側の埃を落とす習慣をつけましょう。そのままにしておくとボディやレンズの内部に埃が進入してしまうリスクが高くなってしまいます。
2ブロアー
空気の力でゴミを吹き飛ばすアイテムです。自分の手の大きさに合わせてしっかり握れる物を選ぶようにしてください。
ボディブラシでは取れない埃やレンズ交換をした時にカメラのマウント部やレンズの後玉をブロアーすると埃が溜まるのを防ぐことができます。
3クリーニングペーパー
個包装されたウエットタイプの物がオススメです。カメラやレンズ向けの商品を選ぶようにしてください。カメラの液晶画面やレンズの前玉を傷付ける可能性があります。
クリーニングペーパーは、カメラの液晶画面やレンズの前玉に付いた汚れや脂汚れなどを拭くのに使います。
4レンズペン
柔らかなクリーニング専用チップとハケがセットになった便利なアイテムです。撮影現場でも手軽に使うことができます。
レンズペンは、レンズ前玉の指紋や脂汚れなどを落とす時に使います。汚れが酷い時は、クリーニングペーパーで汚れを落としてから、レンズペンを使います。
5綿棒
ファインダーなど細かな部分を掃除するのに便利です。先が丸いタイプと尖ったタイプの2種類用意すると便利です。
6クリーニングクロス
専用のクリーニングクロスがあります。ボディブラシやブロアーで埃を落とした後に最後の仕上げに拭くのに使用します。
専用のクリーニングクロスが理想ですが、無ければ薄手のタオルでも問題ありません。
カメラボディのクリーニング方法
カメラボディは神経質にならずに普通に掃除してください。ボタンやダイヤル周りの溝は先細綿棒などを使うと良いです。
ただし、マウント内部の特にイメージセンサーは非常にデリケートなため空気を吹き付ける程度にし、汚れが酷い場合はメーカーのサービスセンターに依頼するようにしてください。
センサーのクリーニング方法
1ミラーを上げる(一眼レフのみ)
メニューからクリーニングモードを選び、ミラーアップしてセンサーを露出させます。ミラーレス機はセンサーが露出しているため、この作業は必要ありません。
2ブロアーで埃を吹き飛ばす
ボディを逆さまにして下からブロアーで空気を送ります。ブロアーの先端がセンサーに当たらないように注意してください。
ファインダーのクリーニング方法
1ブロアーで埃を吹き飛ばす
アイカップが取れる物は外しておき、ブロアーで大きな埃を吹き飛ばします。
2綿棒で汚れを取る
ブロアーで埃を飛ばした後は、先が丸い綿棒で綺麗にしてください。掃除後は視度調整ダイヤルがずれていないか確認してください。
ボディのクリーニング
先程も述べましたが、カメラボディのクリーニングは神経質になる必要はありません。ボディブラシで埃を落としたら、ブロアーでブラシで落としきれない溝などの埃を吹き飛ばします。その後、クリーニングクロスでボディを拭いて仕上げます。グリップなどベタベタしているようなら、固く絞ったタオルで拭いてください。
レンズのクリーニング方法
レンズの汚れは画質の悪化に直結するため、指紋や埃などに注意して常に綺麗な状態に保っておきましょう。レンズの表面はデリケートなので、レンズ保護フィルターを付けておくのがおすすめです。
前玉のクリーニング
1ブロアーで埃を吹き飛ばす
砂など硬いゴミが付いていると表面に傷が付くため、ブロアーの風の力で大きなゴミを吹き飛ばしておきます。
2前玉の汚れを拭き取る
汚れが酷い場合は先にクリーニングペーパーで拭き、軽ければレンズペンで中心から円を描くように拭き取ります。
後玉のクリーニング
外部に露出しないためほとんど汚れることはありませんが、前玉よりもデリケートなので、埃が溜まらないようにブロアーで吹く程度にしておきましょう。
まとめ
今回は、カメラボディとレンズのクリーニングに必要な道具とクリーニング方法についてお話ししました。ここで撮影から帰って来たら必ずカメラのクリーニングをするようにと言っておりますが、なかなかすることができない事も多いです。
今のメイン機材であるD5は10年使うつもりでいますので、これから撮影から帰って来たら必ずクリーニングしてから収納するようにしようと思います。
この記事は自分の復習の意味でも書きましたが、クリーニングする習慣が無い人はクリーニングしてから収納するようにしてください。必要な道具はどれも安価で購入できます。
あっ、防湿庫は除きますが・・・。